小笠原諸島について

(1) 概要
小笠原村は、東京から1,000km南に位置し、交通手段も6日に1便、片道25時間半を要する定期船しかない超遠隔離島です。人口は父島が約2,000人、母島は約500人です。また、戦後から昭和43年までの23年間、米軍に占領されていた特異な歴史を有しています。

小笠原村の医療は、当村が昭和43年に日本に返還されると同時に、まず父島において、米軍の診療所を引き継ぐ形で村立診療所を開設し、その後、昭和47年に、母島に村立診療所を開設して、現在に至っております。

父島、母島の各診療所とも、開設以降、各島における唯一の医療機関として、また日本国南方海域における唯一の医療機関として、村民、観光客の方は勿論のこと、南方海域における国内、国外の漁業操業者、船舶船員の方々等に対し、医療の提供を行っております。

また、父島では、施設の老朽化に伴い診療所を建て替え、平成22年5月、新たな診療所として移転開設いたしました。

小笠原諸島の位置

小笠原村診療所の外観(父島)
小笠原村診療所の外観(父島)

小笠原村母島診療所の外観(母島)
小笠原村母島診療所の外観(母島)

*村の医療の現状については、「小笠原村の医療」(令和5年度版)をご参照ください。

(2) 医療の提供の理念
小笠原村では、「すべての人が安心して暮らせる村」づくりを一つの指針としております。安心して暮らせるために、医療の提供は不可欠であり、医療の確保・充実は、小笠原村の大きな課題となっています。

村内には医療人材も乏しく、内地との交通アクセスも6日に1便、片道25時間も要する定期船しかないため、医療の提供を維持することさえ厳しい環境ではありますが、「安心していただける医療の提供」を理念に、その実現を目指し、少しずつではありますが、医療の確保、充実に努めてまいります。

(3) 関連施設の運営
小笠原村には、返還以降、高齢者の方の入所施設が未整備であったため、施設での介護が必要となった高齢者の方は、止む無く、住み慣れた島を離れ、内地の介護施設に入所しておりました。それを解消するため、父島の診療所を建て替える際、小笠原村診療所と同じ建物内に高齢者の方の入所施設を整備いたしました。

村立有料老人ホーム「太陽の郷」
村立有料老人ホーム「太陽の郷」

団欒室にて
団欒室にて

名称は、小笠原村立有料老人ホーム「太陽の郷」といい、平成23年3月に開設、小笠原村診療所とともに役場医療課が運営しています。「太陽の郷」では、医療と介護が同一建物内という利点を活かし、医療と介護の連携によるサポートを行い、安心して生活できる環境を提供できるよう、努めております。

お知らせ
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